パーソナルトレーニングを受けていると重りを選ぶ傾向が変わるかも?
吉田です。
今日はパーソナルトレーニングに関係した少し古い研究論文をご紹介します。
普段パーソナルトレーニングを受けている人(PT群=19名 女性)とパーソナルトレーニングを受けたことがない人(No PT 群=27名 女性)を対象に、自分一人でマシンエクササイズをする場合の選択重量の違いを調べた。
“1セット10回挙げきるトレーニングをする場合、このエクササイズではどの重量を選択しますか?”
という問いかけに対し、被験者自ら重量を選び実際に行った。
※エクササイズはレッグプレス、チェストプレス、シーテッドロウ、レッグエクステンション
この後、各エクササイズの1RM(最大1回しか行えない重量)を調べた。
レジスタンストレーニングにおいて最大10回出来る重量(10RM)は1RMの75%と考えられています。
このため被験者が10RMと思って選んだ重量が1RMの重量の何%かを調べることで、パーソナルトレーナーとトレーニングする習慣のある人達(PT群)の強度選択の傾向と普段から一人でトレーニングしている人達(NO PT群)の強度選択の傾向を比較することが出来ます。
つまり、PT群がNO PT群よりも1RMの75%に近い重量を選択するのであれば
パーソナルトレーナーとトレーニングしている人は目的に合った重さを選択する傾向にある
と考えられます。※実験時PT群はパーソナルトレーナーと接触していない。
では、どのような結果になったでしょうか?
結果(%は全て1RMに対して)
PT群 VS NO PT群
レッグエクステンション
50% vs 41%
チェストプレス
57.4% vs 48%
シーテッドロウ
56% vs 42%
レッグエクステンション
43% vs 38%(統計学的有意差なし)
PT群はNO PT群よりも1RMに対して重い重量を10RM選択時に選ぶ傾向にあることが分かりました。
このことから、筆者らはパーソナルトレーニングは目的にあった正しい重量選択が出来るようになる手助けになる、と主張しています。
私個人の感想としては、パーソナルトレーニングを一定期間受けていることで自分がどこまでやれるか?ということに気づく機会が多くなるのではないか、と思いました。
とはいうものの、パーソナルトレーニングが良い!という訳ではありません。
PT群が高重量を選ぶ傾向にあるとはいえ、強度は1RMの60%に届いていません。この点に関しては筆者らも言及しています。
見方によっては、
・トレーナーがいないと一人でキツいトレーニングができない、という依存的傾向
・トレーナーがクライアントに対してトレーニングに関する知識を提供していない、というトレーナー側の怠慢
とも考えられます。
色々なことが考えられる今回の研究ですが
是非、皆さんにもお読み頂けたらと思います。
Ratamess NA et al.“Self-selected resistance training intensity in healthy women: the influence of a personal trainer.”The Journal of Strength & Conditioning Research 22 (1), 103-111