ベンチプレス100kgはすごい?男性の平均・体重別レベルを解説
ベンチプレスを始めた男性なら、一度は「100kg」という重量を目標にしたことがあるのではないでしょうか。
「ベンチプレスで100kgを挙げたらすごい?」
「男性で100kgを挙げられる人はどのくらいいる?」
「100kgは初心者卒業?それとも上級者?」
「筋トレをするなら、まずは100kgを目指したい」
ベンチプレスに取り組んでいると、このような疑問を持つ人は少なくありません。
100kgという数字は、ベンチプレスをしていない人から見ても「かなり重い」と感じる重量です。一方で、ベンチプレスを長く続けている人や競技者の中には、「100kgはまだまだこれから」と考える人もいます。
では、実際のところ、ベンチプレス100kgはすごいのでしょうか?
結論から言えば、一般的な男性にとってベンチプレス100kgは十分にすごい記録です。
ただし、誰と比較するかによって100kgの意味は大きく変わります。
例えば、普段ベンチプレスをしていない男性と、何年もベンチプレスを続けている競技者では、同じ100kgでも評価はまったく同じではありません。
さらに、競技としてベンチプレスに取り組む場合は、100kgを挙げられたからといって全国大会に出場できるわけでもありません。
JPA(日本パワーリフティング協会)の2026年度の全日本ベンチプレス選手権大会・クラシック部門では、一般男子の出場標準記録は59kg級で160kg、66kg級で170kg、74kg級で180kg、83kg級で190kgなどとなっています。
つまり、一般男性にとっては「すごい」100kgでも、全国大会を目指す競技者にとっては、まだ大きな目標の途中にある重量なのです。
この違いを知ると、「100kgはすごいのか?」という疑問に対する答えが、単純な「すごい・すごくない」の二択ではないことが分かります。
この記事では、男性の場合に絞り、ベンチプレス100kgがどのくらいのレベルなのかを、平均重量や体重との関係、さらに実際の競技者から見た100kgの価値まで含めて詳しく解説します。
また、この記事を監修・解説する吉川望は、ベンチプレス競技において全日本選手権(エクイップ部門)優勝4回という実績があります。
一般的な筋トレとしてのベンチプレスだけではなく、実際に競技の世界で100kgの先を経験してきた立場から、ベンチプレス100kgをどのように考えればよいのかを解説していきます。
ベンチプレス100kgはすごい?一般男性なら十分にすごい記録

まず、ベンチプレス100kgがすごいのかという疑問について、はっきり答えます。
一般的な男性にとって、ベンチプレス100kgは十分にすごい重量です。
ここでいう「一般的な男性」とは、ベンチプレス競技者や日常的に高重量トレーニングを行っている人ではなく、普段ベンチプレスを専門的に行っていない男性をイメージしてください。
ベンチプレスをやったことがない人に100kgのバーベルを持たせて、いきなり胸から押し上げてもらっても、簡単に成功するものではありません。
100kgを挙げるためには、胸や肩、腕などの筋力だけでなく、身体を安定させる技術も必要になります。
ベンチ台に寝て、バーベルを胸まで下ろし、そこから押し上げる。
動作だけを見ると単純に感じるかもしれません。
しかし、実際には肩甲骨を安定させ、足で身体を支え、胸郭を適切に使い、バーベルを安定した軌道で動かす必要があります。
特に重量が重くなるほど、わずかなフォームの違いが挙上できるかどうかに影響します。
そのため、ベンチプレス100kgは「筋肉があるから挙げられる」という単純なものではありません。
筋力、フォーム、身体の使い方、トレーニングの継続、そして重量に慣れること。
これらが積み重なって、初めて100kgという重量を成功させることができます。
体重70kgなら、自分の体重より30kg重いバーベルを押す
100kgの重さをイメージするために、体重70kgの男性を考えてみましょう。
ベンチプレスで100kgを挙げるということは、自分の体重より30kgも重いバーベルを胸の上から押し上げるということです。
もちろん、ベンチプレスは自分の体重そのものを押し上げる運動ではないため、単純に「体重+30kg」と考えることはできません。
それでも、100kgという重量が決して軽いものではないことはイメージできるでしょう。
一方で、体重60kgの男性が100kgを挙げる場合と、体重100kgの男性が100kgを挙げる場合では、同じ100kgでも意味が変わります。
だからこそ、ベンチプレスの強さを考えるときには、絶対的な重量だけではなく体重との関係を見ることも重要です。
例えば体重60kgで100kgを挙げれば、自分の体重の約1.67倍。
体重70kgなら約1.43倍。
体重80kgなら1.25倍です。
このように、100kgという同じ記録でも、体重によって評価は変わります。
「100kgを挙げた」という事実だけでも大きな到達点
また、ベンチプレス100kgを目指す過程では、重量が上がるにつれて少しずつ難易度が高くなっていきます。
最初は40kg、50kgと重量が伸びても、60kg、70kg、80kg、90kgと進むにつれて、以前のように簡単には記録が伸びなくなる人も多くいます。
そして90kgから100kgまでの10kgが、非常に遠く感じられることがあります。
だからこそ、100kgを達成したのであれば、それは一つの大きな到達点です。
「100kgなんて、筋トレをしている人なら普通」
という見方だけで、自分の100kg達成を小さく考える必要はありません。
ベンチプレスを継続し、フォームを身につけ、トレーニングを積み重ねた結果として100kgを挙げたのであれば、それは間違いなく一つの成果です。
「一般男性にとって100kgはすごい」ことと、「ベンチプレス競技者として100kgがすごい」ことは同じではありません。
ここからは、男性の平均的なベンチプレス重量や体重別の考え方を踏まえながら、100kgがどのくらいのレベルなのかをさらに詳しく見ていきましょう。
男性のベンチプレス100kgはどのくらいのレベル?
「ベンチプレス100kgはすごい」と言われても、具体的にどのくらいのレベルなのか気になる人は多いでしょう。
自分が80kgしか挙げられない場合、「100kgはあと20kgだから、それほど遠くない」と感じるかもしれません。
一方で、ベンチプレスを始めたばかりで40kg、50kg程度しか挙げられない人からすれば、100kgはかなり先の重量に感じるはずです。
では、男性のベンチプレス100kgは、実際にどの程度のレベルなのでしょうか。
ここで注意したいのが、インターネット上でよく見かける「男性のベンチプレス平均重量」です。
「男性の平均○kg」だけでは100kgのレベルは判断できない
ベンチプレスについて調べていると、「男性の平均は○kg」「100kgを挙げられる男性は○%」といった数字を目にすることがあります。
こうした数字は、自分の現在地を知るための参考にはなります。
しかし、数字だけを見て「100kgは普通」「100kgは上級者」と判断するのは注意が必要です。
なぜなら、誰を対象にした平均なのかによって、数字の意味が大きく変わるからです。
例えば、ベンチプレスを一度もしたことがない男性も含めた平均と、週に何度もジムでトレーニングをしている男性の平均では、当然ながら結果は同じになりません。
さらに、ベンチプレスの記録を専門的に扱っているサービスに登録されたデータであれば、そもそも「ベンチプレスに関心があり、実際にトレーニングしている人」が集まりやすくなります。
そのため、そのようなデータを見て、
「男性の平均が100kgだから、100kgは普通」
と考えるのは適切ではありません。
平均値は、どのような人を対象にして集計された数字なのかまで確認して初めて意味を持つからです。
実際、Strength Levelではベンチプレスの男性1RMについて、体重や経験レベルに応じた基準が掲載されています。そこでは中級者・上級者などの目安が示されていますが、これは日本人男性全体を対象にした「日本人男性の平均値」ではありません。
したがって、こうしたデータは「自分がベンチプレスをしている人の中でどの程度なのか」を考える材料として利用し、一般男性全体の平均と混同しないことが大切です。
ベンチプレスをしていない男性まで含めれば、100kgは決して普通ではない
ここまでを踏まえると、ベンチプレス100kgの位置づけが見えてきます。
普段からベンチプレスを行っている人だけを見れば、100kgは決して珍しい重量ではありません。
ジムに長く通っている人や、ベンチプレスを何年も継続している人の中には、100kgを挙げられる男性も当然います。
しかし、比較対象を「ベンチプレスをしている人」から「一般的な男性全体」に広げれば、話は変わります。
普段からベンチプレスをしていない男性にとって、100kgは簡単に扱える重量ではありません。
そもそもベンチプレスは、バーベルを胸まで下ろしてから押し上げるという動作を安全かつ安定して行うために、一定の筋力と技術が必要です。
そこからさらに100kgという重量まで到達するには、継続的なトレーニングが必要になります。
「ベンチプレスをしている人の中では100kgは珍しくない」
ことと、
「一般男性にとって100kgはすごい」
ことは、両立します。
これは「100kgがすごいのか、すごくないのか」という疑問を考えるうえで、とても重要なポイントです。
ベンチプレス100kgのレベルは「誰と比較するか」で変わる
例えば、会社の同僚や友人に「ベンチプレス何kg挙げられる?」と聞いてみたとします。
その中で100kgを挙げられる男性がいれば、おそらく「かなりやっているな」と感じる人が多いでしょう。
ところが、ベンチプレスを専門的に行っているジムに行けば、100kgを挙げられる人は決して珍しくありません。
さらにパワーリフティングやベンチプレスの大会に出場している選手だけを集めれば、100kgの意味はさらに変わります。
このように、同じ100kgでも、
一般男性の中で見る100kg
筋トレをしている男性の中で見る100kg
ベンチプレスを専門的に行う人の中で見る100kg
競技者の中で見る100kg
では、それぞれ評価が異なります。
だからこそ、「100kgは上級者ですか?」という質問に対して、単純に「はい」「いいえ」と答えることはできません。
どの集団と比較しているのかを明確にする必要があります。
そして、もう一つ忘れてはいけないのが体重です。
同じベンチプレス100kgでも体重によってすごさは変わる

ベンチプレス100kgのレベルを考えるとき、比較する相手だけでなく、自分自身の体重も重要な要素になります。
例えば、体重60kgの男性と体重100kgの男性が、どちらもベンチプレス100kgを挙げたとします。
記録だけを見ると、2人とも100kgで同じです。
しかし、体重に対する重量の割合を考えると、その意味は大きく変わります。
体重60kg → 100kg:約1.67倍
体重70kg → 100kg:約1.43倍
体重80kg → 100kg:約1.25倍
体重90kg → 100kg:約1.11倍
体重100kg → 100kg:自分の体重と同じ
もちろん、ベンチプレスの難易度が「体重比」だけで決まるわけではありません。
骨格、筋肉量、腕の長さ、フォーム、トレーニング経験など、さまざまな要素が挙上重量に影響します。
そのため、「体重の何倍なら必ずこのレベル」というように単純化することはできません。
それでも、同じ100kgでも体重によって評価が変わるということを理解するには、体重比は分かりやすい指標です。
体重60kgと100kgでは、同じ100kgでも意味が違う
例えば体重60kgの男性がベンチプレス100kgを挙げる場合、自分の体重を大きく上回る重量を扱うことになります。
一方、体重100kgの男性が100kgを挙げる場合は、自分の体重と同じ重量です。
どちらが「すごい」と一概に決めることはできませんが、少なくとも100kgという絶対重量だけでは、その人のベンチプレスの強さを正確に判断できないことが分かります。
これは競技になると、さらに重要になります。
パワーリフティングやベンチプレス競技では、体重によって階級が分かれています。
つまり競技では、
「何kg挙げたのか」
だけではなく、
「何kgの体重で何kg挙げたのか」
という視点が必要になります。
例えば、体重60kgの選手と体重100kgの選手が同じ100kgを挙げたとしても、同じ階級の選手ではありません。
競技者の強さを評価するときには、単純な絶対重量だけでなく、階級や体重、記録の水準などを総合的に見る必要があります。
自分の過去の記録と比較することも大切
そして、100kgを目指している人にとって、最も大切なのは必ずしも他人との比較ではありません。
例えば、以前は60kgしか挙げられなかった人が、トレーニングを続けて80kgまで伸ばしたとします。
さらにそこから90kg、95kgと記録を伸ばし、ついに100kgを挙げられたのであれば、それは大きな成長です。
一方で、体重やトレーニング経験が違う人と「自分は100kgだから、この人より強い」と単純に比較しても、ベンチプレスの本当の強さを判断することはできません。
自分の体重、自分のトレーニング歴、そして過去の自分の記録。
これらを含めて考えることが、ベンチプレスの成長を正しく評価するうえで重要です。
100kgという数字は確かに分かりやすい目標です。
しかし、本当の価値は「100kgという数字」だけにあるのではありません。
そこに到達するまでにどれだけ記録を伸ばしてきたのか、どのような身体条件で達成したのか、そして次にどこを目指すのか。
これらを合わせて考えることで、ベンチプレス100kgという記録をより正確に評価できるようになります。
そして、ここまで見てきた「一般男性にとっての100kg」と「ベンチプレスを継続している人にとっての100kg」には、さらに大きな違いがあります。
それが、競技者の世界から見た100kgです。
次は、実際の競技基準をもとに、ベンチプレス100kgが競技の世界ではどのような位置づけになるのかを見ていきましょう。
競技者から見るとベンチプレス100kgはすごい?全日本を目指すなら話は変わる
ここからは、一般的な筋トレとしてのベンチプレスと、競技としてのベンチプレスを分けて考えてみましょう。
一般男性にとってベンチプレス100kgが大きな目標であることは、先ほど解説したとおりです。
しかし、ベンチプレスを競技として取り組む場合、100kgの位置づけは大きく変わります。
その違いを最も分かりやすく知る方法が、実際の競技基準を見ることです。
JPAの全国大会出場標準記録から見る100kg
JPA(日本パワーリフティング協会)が定める2026年度の全日本ベンチプレス選手権大会・クラシック部門では、一般男子の出場標準記録が階級ごとに設定されています。

59kg級では160kg、66kg級では170kg、74kg級では180kg、83kg級では190kg、93kg級では200kg、105kg級では210kg、120kg級では220kg、120kg超級では225kgです。(令和8年度標準記録:日本パワーリフティング協会)
一般男子の場合、ベンチプレス100kgを挙げられても、全日本選手権の出場標準記録には届きません。
ここは、一般の筋トレ愛好家からすると少し意外に感じるかもしれません。
「ベンチプレス100kgを挙げられたらかなり強い」
というイメージがある一方で、
「競技の全国大会に出場するには100kgでは足りない」
という、まったく違う基準が存在するからです。
しかし、これは100kgの価値が低いという意味ではありません。
比較している世界が違うだけです。
例えば、学校のクラスで一番足が速い人と、陸上競技の全国大会に出場する選手では、「速い」という言葉の基準が違います。
ベンチプレスも同じです。
一般男性の中で100kgを挙げられることと、全国大会を目指す競技者の中で100kgを挙げることでは、同じ100kgでも意味が違います。
「100kgを挙げた=競技者として強い」ではない
ここは、ベンチプレス100kgを目指している人にとっても、ぜひ知っておいてほしいところです。
100kgを挙げること自体は、間違いなく一つの大きな到達点です。
しかし、
「100kgを挙げられること」と「競技者として強いこと」は、必ずしも同じではありません。
競技の世界では、単純に100kgを挙げられるかどうかではなく、そこからさらにどこまで記録を伸ばせるかが問われます。
しかも、大会では体重によって階級が分かれているため、単純に「100kg挙げたから強い」「120kg挙げたからもっと強い」という比較だけでは不十分です。
自分がどの階級にいて、その階級でどの程度の記録を出しているのか。
さらに、公式ルールのもとで試合に出場し、記録を残しているのか。
競技者として考えるなら、こうした視点まで必要になります。
つまり、ジムで100kgを挙げることと、競技としてベンチプレスに取り組むことでは、同じ「100kg」でも見えている世界が違うのです。
### 吉川望が考える「100kgの価値」
ここで、吉川導場を運営する吉川望自身の経験を紹介します。
吉川望は、ベンチプレス競技において全日本選手権優勝4回という実績を持っています。
全国大会を目指す選手、そして実際に全国大会で勝つことを経験してきた選手から見ると、100kgはどのような重量なのでしょうか。
もちろん、競技者として見れば100kgは全国大会で勝負するための重量ではありません。
しかし、だからといって「100kgなんて大したことがない」と考えるわけでもありません。
むしろ、100kgを目指している段階では、100kgという一つの壁を越えること自体に大きな意味があります。
ベンチプレスを始めた人が、40kg、50kg、60kgと少しずつ重量を伸ばし、70kg、80kg、90kgと進んでいく。
そして最後に100kgという壁を越える。
この過程を経験しているからこそ、100kgを挙げた瞬間の価値があります。
競技の世界でさらに上を目指してきたからこそ分かるのは、100kgはゴールではないけれど、決して意味のない数字でもないということです。
100kgの先には、別の世界がある
ベンチプレスを始めたばかりの人にとっては、100kgが遠い目標に見えるかもしれません。
ところが、100kgを達成すると、今度は105kg、110kg、115kg、120kgと、その先の重量が見えてきます。
さらに競技を目指すのであれば、そこで初めて「大会で勝つためには何kg必要なのか」「自分の階級ではどのくらいの記録が必要なのか」という、別の課題が見えてきます。
つまり、100kgは終着点ではなく、次のステージへ進むための大きな通過点とも考えられます。
これは、ベンチプレスを長く続ける面白さの一つです。
最初は「100kgを挙げたい」という目標だったものが、100kgを達成すると「110kgを挙げたい」に変わる。
110kgを挙げれば「120kgを目指したい」と思うようになる。
さらに競技に出れば、「自己ベストを更新したい」「階級で上位に入りたい」「全国大会に出たい」「全国大会で勝ちたい」というように、目標そのものが変化していきます。
だからこそ、100kgを目指している人は、100kgを「最終目標」と考える必要はありません。
まず100kgを目指し、達成したら、その先に何を目指すのかを考えればいいのです。
一般男性にとっての100kgと、競技者にとっての100kg
ここまでを整理すると、ベンチプレス100kgには少なくとも二つの見方があります。
一般男性にとっては、100kgは簡単に達成できる重量ではなく、継続的なトレーニングの成果として十分に評価できる記録です。
一方で、ベンチプレス競技者にとっては、100kgは全国大会を目指すための基準には届かず、さらに上を目指していく必要があります。
「100kgはすごい」と「100kgでは全国大会に届かない」は、どちらも正しい。
一見すると矛盾しているように感じますが、実際には比較する対象が違うだけです。
そして、この違いを知ることは、100kgを目指している人にとっても決して悪いことではありません。
むしろ、
「100kgは十分すごい。でも、その先にはまだまだ強くなれる世界がある」
と知っておくことで、ベンチプレスをより長く楽しめるようになります。
では、100kgを達成するためには、具体的に何が必要なのでしょうか。
実は、100kgは単純に筋肉を大きくすれば挙げられる重量ではありません。
フォーム、身体の使い方、トレーニング方法、重量設定など、さまざまな要素を組み合わせる必要があります。
次は、「100kgを挙げること」をゴールではなく、ベンチプレスを本格的に続けるための大きな通過点として捉え、100kgを達成するまでに何が重要なのかを見ていきましょう。
ベンチプレス100kgはゴールではなく「最初の大きな壁」を越えた段階

では、100kgを目指している人にとって、100kgにはどんな意味があるのでしょうか。
私は、100kgは「ゴール」というより、ベンチプレスを本格的に続けていくための一つの大きな通過点と考えるのがいいと思います。
ベンチプレスを始めたばかりの頃は、40kg、50kg、60kgと重量が比較的順調に伸びることがあります。
しかし、70kg、80kg、90kgと進むにつれて、少しずつ重量を伸ばすことが難しくなっていきます。
そして、多くの人が強く意識するのが100kgです。
90kgまでは挙がる。
95kgも成功した。
でも100kgがどうしても挙がらない。
この「あと5kg」が非常に遠く感じることがあります。
100kgを成功させるためには、単純に筋肉を大きくするだけでは足りない場合があります。
フォームの安定、身体の固定、足の使い方、肩甲骨の位置、胸郭の作り方、バーを下ろす位置、押し始めるタイミングなど、細かな部分が重量に影響します。
また、毎回限界重量ばかりに挑戦していても、必ずしも効率よく強くなるわけではありません。
重量設定を適切に行い、必要な回数・セット数をこなしながら、長期的にトレーニングを継続することが重要です。
そのため、100kgを目指している人にとっては、
「100kgを挙げること」
だけではなく、
「100kgを挙げられる身体と技術を作ること」
が重要になります。
そして100kgを達成した後は、105kg、110kg、120kgと、次の目標が見えてきます。
100kgを挙げられたことで、ベンチプレスが終わるわけではありません。
むしろ、そこからさらに面白くなる人もたくさんいます。

ベンチプレス100kgはすごい。ただし「どの世界で見るか」が重要
ここまで、ベンチプレス100kgがどのくらいすごいのかを、一般男性、体重との関係、そして競技者というさまざまな視点から見てきました。
結論を改めて言えば、ベンチプレス100kgは、一般的な男性にとって十分にすごい記録です。
普段ベンチプレスをしていない男性が簡単に挙げられる重量ではありません。
100kgを達成するためには、胸や肩、腕などの筋力だけでなく、フォームや身体の使い方を身につけ、継続的にトレーニングを行う必要があります。
だからこそ、現在80kg、90kgで「100kgを挙げたい」と考えているのであれば、その目標を大切にしてください。
100kgは、十分に目指す価値のある重量です。
ただし、ここまでの記事を読んでいただいた方には、もう一つ覚えておいてほしいことがあります。
それが、「100kgの価値は、どの世界で見るかによって変わる」ということです。
一般男性にとっての100kgと、競技者にとっての100kgは違う
一般男性の中で見れば、ベンチプレス100kgは大きな到達点です。
一方で、ベンチプレスを競技として行っている選手から見ると、100kgは必ずしも高い記録とは言えません。
JPA(日本パワーリフティング協会)が定める2026年度の全日本ベンチプレス選手権大会・クラシック部門では、一般男子の出場標準記録は59kg級で160kgから設定されています。
つまり、100kgでは全日本選手権の出場標準記録には届きません。
これは、100kgが大した重量ではないという意味ではありません。
比較している相手が違うだけです。
分かりやすく言えば、
一般男性にとって100kgは、大きな目標。
競技者にとって100kgは、通過点。
この2つは、どちらも正しいのです。
そして、この違いを知っておくことは、これからベンチプレスを続けていくうえで決して悪いことではありません。
むしろ、自分がどの位置にいるのかを正しく知ることで、次の目標を設定しやすくなります。
ベンチプレス100kgは「他人と比べるための数字」ではない
もう一つ大切なのは、100kgを挙げられるかどうかだけで、自分のベンチプレスの価値を決めないことです。
例えば、体重60kgの男性が100kgを挙げる場合と、体重100kgの男性が100kgを挙げる場合では、同じ100kgでも意味が違います。
また、ベンチプレスを始めて半年で100kgを達成した人と、何年もかけて100kgを達成した人でも、その過程は違います。
さらに言えば、以前60kgしか挙げられなかった人が80kg、90kgと記録を伸ばし、ついに100kgを達成したのであれば、その100kgにはその人にしか分からない価値があります。
だから、ベンチプレスでは、
「自分は何kg挙げられるのか」だけではなく、「以前の自分からどれだけ強くなったのか」
という視点も大切にしてください。
他人の100kgと自分の100kgを単純に比較する必要はありません。
昨日まで90kgだった自分が100kgを挙げたのであれば、それは間違いなく大きな成長です。
100kgを達成したら、そこから先をどうするか
そして、100kgを達成したら、それでベンチプレスが終わるわけではありません。
むしろ、そこから先に新しい楽しさが見えてくる人もたくさんいます。
105kg、110kg、120kg。
さらにその先には、140kg、160kgという世界もあります。
もちろん、全員が160kgを目指す必要はありません。
健康や身体づくりを目的に100kgを目標にする人もいれば、100kgを達成した後に110kg、120kgと自己ベストを更新していく人もいます。
そして、競技に興味が出てきたのであれば、大会への出場や全国大会を目標にするという選択肢もあります。
大切なのは、100kgを達成した後に、自分が何を目指したいのかを決めることです。
100kgはゴールではありません。
しかし、ベンチプレスを本気で続ける人にとって、100kgは確実に一つの大きな節目になります。
100kgまであと少しなら、MAX重量だけを追わない
もし今、ベンチプレス100kgを目指しているのであれば、焦って毎回MAX重量に挑戦する必要はありません。
100kgまであと10kgなのか、あと20kgなのか。
現在何kgを何回挙げられるのか。
フォームは安定しているのか。
普段どのような重量設定で、何回、何セットのトレーニングをしているのか。
こうした部分を確認することで、100kgまでの道のりは変わってきます。
例えば、90kgまでは挙がるのに95kgから先が伸びない人と、70kgから80kgに伸ばしている人では、必要なアプローチは同じではありません。
「100kgを挙げる」という同じ目標でも、現在地によってやるべきことは変わります。
これは100kgを達成した後も同じです。
100kgから110kgを目指す場合と、120kgから140kgを目指す場合では、必要なトレーニングや考え方も変わってきます。
だからこそ、単純に「もっと頑張って重量を上げる」だけではなく、自分の現在地を把握して、そこから逆算することが重要になります。
吉川導場では「100kgの先」まで見据えてサポートします
ベンチプレスを長く続けていると、100kgという数字の意味も変わってきます。
最初は遠く感じていた100kgが、やがて現実的な目標になり、達成した後には110kg、120kgと次の目標が見えてくる。
そして競技を目指す人にとっては、さらにその先に全国大会という舞台があります。
吉川導場を運営する吉川望は、ベンチプレス競技で全日本選手権優勝4回を経験しています。
だからこそ、一般男性が「まず100kgを挙げたい」と考える気持ちも、100kgを超えてさらに記録を伸ばしたいという気持ちも、競技者として全国大会やその先を目指す難しさも理解しています。
吉川導場では、単純に「もっと重い重量を挙げましょう」と考えるのではなく、フォーム、身体の使い方、トレーニング方法、重量設定などを含めて、一人ひとりの現在地と目標に合わせて考えることを大切にしています。
「まずは100kgを挙げたい」という人も、
「100kgを超えてさらに強くなりたい」という人も、
「いつか大会に出てみたい」という人も、
大切なのは、今の自分に合った方法で一歩ずつ進んでいくことです。
ベンチプレス100kgは、一般男性にとって十分にすごい。
競技者にとっては、そこからさらに上を目指すための通過点。
そして、100kgの価値は「誰と比べるか」ではなく、「自分がどこを目指しているか」によっても変わります。
もし今、ベンチプレス100kgを目指しているのであれば、まずはその100kgという目標を大切にしてください。
そして100kgを達成したときには、その先にどこまで行けるのかを考えてみてください。
100kgはゴールではありません。
しかし、そこに到達するまでの努力も、100kgを達成した瞬間の喜びも、その先に進んでいく過程も、すべてベンチプレスの大きな魅力です。
自分の目標に合わせて、100kgの先を目指していきましょう。


