【スモロフJr.】徹底解説/ベンチプレスの重量と組み方の効果
ベンチプレスの重量を伸ばしたいと考えている人なら、「スモロフプログラム」という名前を一度は目にしたことがあるのではないでしょうか。
「スモロフをやるとベンチプレスが伸びるって本当?」
「ベンチプレスを週4回もやるの?」
「6回×6セットって、かなりきつそうだけど効果はある?」
「100kgや120kgを目指す自分にも使えるの?」
このように、スモロフプログラムに興味はあっても、具体的にどんなトレーニングなのか、自分に向いているのか分からないという人は少なくありません。
結論からいうと、スモロフは一般的な筋力トレーニングとは大きく異なり、特定の種目を高頻度・高ボリュームで行い、一定期間に集中して重量を伸ばすことを狙ったプログラムです。
ただし、ここで一つ注意しておきたいことがあります。
「スモロフプログラム」と「ベンチプレスのスモロフ」は、厳密には同じものではありません。
もともとのスモロフ(Smolov)は、スクワットを中心とした長期間の高頻度プログラムとして知られています。現在広く知られているスモロフは、全体で13週間にわたるスクワット向けのプログラムです。
一方、ベンチプレスでよく使われているのが、そこから派生した短期間の「スモロフJr.(Smolov Jr.)」です。
| 項目 | 本家 スモロフ(Smolov) | スモロフJr.(Smolov Jr.) |
|---|---|---|
| 主対象種目 | スクワット | ベンチプレス(スクワット等も可) |
| 期間 | 約13週間(複数フェーズ) | 3週間(+1週間のディロード/Max計測) |
| トレーニング頻度 | 週3〜4回 | 週4回 |
| 難易度・身体的負荷 | 超極高(上級者・競技者向け) | 高(中級者〜上級者向け) |
ベンチプレスで「スモロフをやる」と言う場合、基本的にはこの3週間・週4回で完結する「スモロフJr.」を指します。
スモロフJr.は、基本的に3週間・週4回のトレーニングで構成され、6回×6セット、7回×5セット、8回×4セット、10回×3セットという4種類のトレーニングを繰り返します。
一見すると非常にシンプルなプログラムですが、実際にはかなりのトレーニング量になります。
ポイント
スモロフJr.は「有名なプログラムだから、とりあえずやってみる」というものではありません。
自分の現在のベンチプレスの強さ、トレーニング経験、身体の状態、回復力を考えたうえで取り入れることが重要です。
この記事では、ベンチプレスの重量を伸ばしたい男性を中心に、スモロフプログラムの基本的な考え方から、ベンチプレスで使われるスモロフJr.の具体的なやり方、期待できるメリット、注意点、向いている人まで詳しく解説します。
さらに、吉川導場を運営し、ベンチプレス競技で全日本優勝4回を経験してきた吉川望の競技者としての視点から、単に「このメニューをこなせばいい」と紹介するだけではなく、
「なぜ高頻度でベンチプレスを行うのか」
「どんな人が取り入れると効果的なのか」
という、実際に重量を伸ばしていくうえで重要な部分まで掘り下げていきます。
スモロフプログラムとは?ベンチプレスでは「スモロフJr.」が有名

スモロフJr.の基本的な4日間
1日目:6回×6セット
2日目:7回×5セット
3日目:8回×4セット
4日目:10回×3セット
そして、単純に毎回同じ重量で繰り返すわけではありません。
基本的な設定では、1週目は1RMを基準として、6回×6セットを70%、7回×5セットを75%、8回×4セットを80%、10回×3セットを85%程度で行います。
2週目、3週目になるにつれて、それぞれのトレーニング重量に一定の重量を追加していく形が一般的です。
例えば、ベンチプレスの1RMが100kgだった場合、1週目の目安は、
70kg × 6回 × 6セット
75kg × 7回 × 5セット
80kg × 8回 × 4セット
85kg × 10回 × 3セット
というイメージになります。
もちろん、実際のトレーニングではプレートの刻みや現在のコンディション、直近の記録などによって重量を調整する必要があります。
ここで注目したいのが、ベンチプレスを週4回行うという頻度です。
一般的な筋力トレーニングでは、ベンチプレスを週1~3回程度行う人も多いでしょう。
それに対してスモロフJr.では、短期間に週4回もベンチプレスを行います。
しかも、単に軽い重量をフォーム練習として触るのではありません。
6回×6セット、7回×5セット、8回×4セット、10回×3セットというまとまったセット数をこなすため、1週間を通してかなりのトレーニング量になります。
そのため、スモロフJr.は「短期間で楽にベンチプレスの重量を伸ばす裏技」と考えるべきではありません。
むしろ、
ベンチプレスそのものを高頻度で繰り返し、一定期間に集中してトレーニングすることで、筋力とベンチプレスの動作能力を高めていくプログラム
と考えたほうが、その特徴を正しく理解できます。
そして、ここがスモロフJr.を考えるうえで非常に重要なポイントです。
ベンチプレスの重量を伸ばすためには、単純に筋肉を大きくするだけではありません。
胸、肩、上腕三頭筋などの筋力はもちろん、身体の固定、肩甲骨の位置、足の使い方、バーを下ろす位置、胸で受けた後の切り返し、バーを押し上げる軌道など、さまざまな要素が関係します。
特に競技としてベンチプレスに取り組むのであれば、「筋力」と「ベンチプレスを上手く行う技術」の両方を高めることが重要になります。
その意味で、スモロフJr.の高頻度トレーニングには大きな特徴があります。
ただし、ここで「週4回やれば誰でもベンチプレスが伸びる」と考えるのは早計です。
高頻度である以上、当然ながら身体への負担も大きくなります。
スモロフJr.は「誰でもやるべきプログラム」ではなく、目的とタイミングを考えて使うプログラムです。
だからこそ、単純にメニューだけを真似するのではなく、「なぜこのような構成になっているのか」「自分に本当に必要なのか」を理解してから取り入れることが大切です。
このあと、実際のスモロフJr.の重量設定や3週間の進め方、さらに「どのような人に向いているのか」まで詳しく見ていきましょう。
スモロフJr.の具体的なやり方|週4回・3週間でベンチプレスを集中強化

スモロフJr.を理解するためには、まず実際にどのようなトレーニングを行うのかを知る必要があります。
基本となるのは、1週間に4回ベンチプレスを行い、それを3週間続ける方法です。
セット数と回数は、3週間を通して基本的に変わりません。
変化するのは、扱う重量です。
一般的なスモロフJr.では、1週目を1RMに対して70%、75%、80%、85%程度からスタートし、2週目、3週目と各セッションの重量を少しずつ上げていきます。
重量の増加幅は、週ごとに約2~5kgを目安にする方法が一般的です。ただし、実際の設定では現在の1RMやトレーニング経験に合わせて調整する必要があります。
つまり、スモロフJr.は、
「毎回限界重量に挑戦するプログラム」ではなく、決められた重量・回数・セット数を繰り返しながら、徐々に負荷を高めていくプログラム
と考えると分かりやすいでしょう。
例えば、ベンチプレスの1RMが100kgの場合、1週目はおおよそ次のような重量になります。
| 曜日 | セット・回数 | 目安重量 |
|---|---|---|
| 1日目 | 6回×6セット | 70kg |
| 2日目 | 7回×5セット | 75kg |
| 3日目 | 8回×4セット | 80kg |
| 4日目 | 10回×3セット | 85kg |
実際には、使用できるプレートの刻みや現在のコンディションなども考慮して重量を調整する必要があります。
そして2週目、3週目になると、同じセット・回数のまま重量を追加していきます。
このため、スモロフJr.では1回のトレーニングだけを見るのではなく、3週間を一つのまとまりとして考えることが重要です。
スモロフJr.は「完遂できる重量設定」が重要
ここで特に注意したいのが、重量設定です。
スモロフJr.を見ていると、「3週間でどれだけ重量を上げられるか」に目が向きやすくなります。
しかし、本当に重要なのは、設定した重量で決められたセットを最後まで完遂できるかどうかです。
例えば、1週目の6回×6セットからすでに限界に近い状態であれば、そのまま2週目、3週目と重量を追加していくのは簡単ではありません。
実際、スモロフJr.の解説でも、前週にセットを失敗した場合や強い筋肉痛・疲労が残っている場合には、次週の重量を無理に増やさないという考え方が紹介されています。
つまり、
「重ければ重いほど良い」というプログラムではない
ということです。
自分の1RMを正確に把握していなかったり、現在の実力以上の重量を基準に設定したりすると、序盤から疲労が蓄積し、後半のトレーニングを完遂できなくなる可能性があります。
スモロフJr.を実施するなら、最初から無理をするのではなく、3週間を最後までやり切れる重量設定を考えることが重要です。
スモロフJr.はなぜベンチプレスの重量アップにつながるのか?
では、なぜスモロフJr.ではこれほど高い頻度でベンチプレスを行うのでしょうか。
その理由を理解するには、ベンチプレスという種目の特徴を考える必要があります。
ベンチプレスの重量を伸ばすためには、単純に胸や肩、上腕三頭筋などの筋肉を大きくするだけでは十分ではありません。
同じ筋力を持っていたとしても、フォームや身体の固定、肩甲骨の位置、胸郭の作り方、足の使い方、バーベルを下ろす位置、胸からの切り返しなどが変われば、実際に挙上できる重量も変わります。
つまりベンチプレスは、筋力だけでなく「動作の技術」も記録に大きく関係する種目です。
スモロフJr.では週4回ベンチプレスを行うため、短期間の中で同じ動作を何度も繰り返すことになります。
これは、単純にトレーニング量を増やしているだけではありません。
ベンチプレスのフォームを繰り返し確認しながら、身体の固定やバーベルの軌道など、自分にとって効率の良い動作を身につけていく機会も増えることになります。
スモロフJr.の解説でも、週4回ベンチプレスを行うことで、その種目の技術を高めることが大きな特徴として説明されています。
もちろん、だからといって「スモロフJr.をやれば誰でも必ずベンチプレスが伸びる」という意味ではありません。
ベンチプレスの伸びには、トレーニング歴、現在の筋力、体重、フォーム、睡眠、栄養、疲労、怪我の有無など、さまざまな要素が関係します。
特にスモロフJr.は週4回という高頻度でベンチプレスを行うため、トレーニングそのものよりも、回復が追いつくかどうかが問題になる人もいます。
ベンチプレスを高頻度で行えば、それだけ胸や肩、上腕三頭筋だけでなく、肩や肘などにも繰り返し負荷がかかります。
そのため、「週4回できるからやってみよう」ではなく、週4回行っても回復できる生活環境とトレーニング経験があるのかを考える必要があります。
スモロフJr.実施中は補助種目を増やしすぎない
もう一つ、スモロフJr.を実施するうえで重要なのが、ベンチプレス以外のトレーニングです。
普段の筋トレであれば、ベンチプレスをした後にダンベルプレス、インクラインプレス、サイドレイズ、トライセプス系の種目などを追加する人もいるでしょう。
しかし、スモロフJr.では、これまでと同じ感覚で上半身の補助種目を大量に追加する必要はありません。
スモロフJr.の代表的な解説では、プログラム期間中は補助種目を控えめにし、ベンチプレスそのものに集中することが推奨されています。
これは、スモロフJr.がベンチプレスそのものを集中的に鍛える「専門化ブロック」だからです。
例えば、
「ベンチプレスを週4回行う」
↓
「さらに毎回胸を限界まで追い込む」
↓
「肩と三頭も高ボリュームで鍛える」
というようにしてしまえば、トレーニング量が一気に増えてしまいます。
それでは、スモロフJr.の本来の目的であるベンチプレスへの集中よりも、単純な疲労の蓄積が問題になる可能性があります。
スモロフJr.では「何を追加するか」より、「何を削るか」も重要です。
ベンチプレスを伸ばしたいからといって、すべてのトレーニングを増やせばいいわけではありません。
むしろ、3週間だけベンチプレスにトレーニング資源を集中させる。
この考え方が、スモロフJr.を理解するうえで非常に重要になります。
スモロフJr.は「有名だからやる」のではなく「今必要だから使う」
ここまでを見ると、スモロフJr.がなぜベンチプレスの重量アップを狙う人から注目されているのかが分かります。
週4回という高頻度。
かなりのトレーニングボリューム。
そして、3週間かけて徐々に重量を上げていく構成。
非常にシンプルなプログラムですが、その分、実施する側にはトレーニング経験と体調管理が求められます。
特に、ベンチプレスを始めたばかりの初心者が、いきなりスモロフJr.を行う必要があるとは限りません。
初心者の場合は、まずベンチプレスを継続しながら基本的なフォームを身につけ、自分の身体の使い方や適切な重量設定を理解していくことのほうが優先される場合があります。
一方で、ある程度ベンチプレスを継続していて、フォームも安定しているものの、重量が伸び悩んでいる。
そうした人にとっては、スモロフJr.のような専門化プログラムを検討する意味が出てきます。
もちろん、それでも全員に適しているわけではありません。
ベンチプレスの頻度を増やすことが現在の課題なのか。
トレーニング量が不足しているのか。
フォームに問題があるのか。
そもそも疲労が蓄積していて、トレーニング量を増やすべきではないのか。
ここを見極める必要があります。
これはスモロフJr.に限らず、ベンチプレスのトレーニングプログラムを選ぶときに非常に重要な考え方です。
スモロフJr.は誰に向いている?効果を狙うなら注意したいポイント

ここまで読むと、「スモロフJr.をやればベンチプレスが伸びるなら、すぐに始めてみよう」と思うかもしれません。
しかし、実際にはそう単純ではありません。
スモロフJr.の最大の特徴である週4回のベンチプレスは、メリットであると同時に、最も注意すべきポイントでもあります。
普段ベンチプレスを週1回程度しか行っていない人が、いきなり週4回に増やせば、当然ながら身体にかかるトレーニング量は大きく変わります。
さらに、6回×6セット、7回×5セット、8回×4セット、10回×3セットをこなすため、1週間を通して見るとかなりの反復回数になります。
そのため、単純に「決められた重量を何としてでも挙げる」と考えるのは危険です。
スモロフJr.で重要なのは、設定されたトレーニングを最後まで継続できる状態を作ることです。
疲労が強く残っているにもかかわらず、予定通りの重量を無理に続ければ、フォームが崩れたり、トレーニングの質が低下したりする可能性があります。
特に肩や肘、胸などに痛みがある場合は、重量を押し通すことよりも、まず身体の状態を確認することが優先です。
スモロフJr.は「ベンチプレスを最優先できる人」と相性がいい
また、スモロフJr.を行う期間は、ベンチプレス以外のトレーニングとの兼ね合いも重要になります。
普段から高重量のショルダープレスやディップス、胸の高ボリュームトレーニングなどを行っている場合、そこに週4回のベンチプレスを追加すると、想定以上の疲労になる可能性があります。
これは、スモロフJr.そのものが悪いという話ではありません。
「ベンチプレスを週4回行う」という負荷を、現在のトレーニング全体の中でどう管理するかが重要なのです。
そのため、スモロフJr.は、一定期間ベンチプレスを最優先して取り組める人と相性の良いプログラムだと考えられます。
反対に、スクワットやデッドリフト、他の上半身種目なども高いボリュームで行いながら、さらにスモロフJr.を追加するという使い方では、回復が追いつかなくなる可能性があります。
スモロフJr.を取り入れるのであれば、3週間だけベンチプレスを重点的に伸ばす期間として考え、その他のトレーニング量を調整することも選択肢になります。
実際にスモロフJr.を扱ったトレーニングコミュニティでも、プログラムの負荷や疲労についてさまざまな実践報告があります。これは、同じプログラムであっても、トレーニング歴や身体の状態によって感じる負荷が大きく異なることを示す一例です。
スモロフJr.では「スタート重量」の設定が非常に重要
そして、もう一つ重要なのがスタート重量です。
スモロフJr.では1RMを基準に重量を設定しますが、その1RMが現在の実力を正確に反映していなければ、プログラム全体の難易度も変わってしまいます。
例えば、半年以上前に記録した1RMを、そのまま現在の基準として使っている場合です。
その間にトレーニング内容が変わっていたり、体重が変化していたり、逆にトレーニングを休んでいたりすれば、当時の1RMと現在の実力が一致しているとは限りません。
反対に、直近の1RMがたまたま調子の良い日に出した記録だった場合、それを基準にすると設定重量が高くなりすぎる可能性もあります。
だからこそ、
「過去に何kgを持ったことがあるか」ではなく、「現在どの程度の重量を安定して扱えるのか」
を考えてスタート重量を設定することが重要です。
これは、ベンチプレスの指導をするうえでも非常に重要な考え方です。
吉川導場でベンチプレスを指導するときも、単純に過去最高記録だけを見てトレーニング重量を決めるのではなく、現在のフォーム、挙上スピード、疲労状態、直近のトレーニング内容などを含めて考える必要があります。
ベンチプレスは数字だけを見ると、「100kg」「120kg」「140kg」のように単純な数字の競争に見えるかもしれません。
しかし、実際に重量を伸ばしていく段階では、「今の自分にどの程度の負荷が適切なのか」を判断することが非常に重要になります。

スモロフJr.をやればベンチプレスは何kg伸びる?
スモロフJr.について調べていると、「3週間で○kg伸びた」という体験談を目にすることがあります。
海外のトレーニングコミュニティでも、スモロフJr.を実施した結果、自己ベストを更新したという報告は見られます。
こうした体験談を見ると、「自分も3週間で10kg、20kgと伸ばせるのではないか」と期待したくなるかもしれません。
しかし、ここは注意しておきたいところです。
「スモロフJr.をやれば誰でも○kg伸びる」という保証はありません。
トレーニングによる記録の伸びには、大きな個人差があります。
特に、すでに何年もベンチプレスを続けていて、高いレベルまで記録を伸ばしている競技者と、まだベンチプレス歴が浅い人では、同じプログラムを行ったとしても伸び方は大きく異なります。
また、ベンチプレスの記録が伸びる理由も一つではありません。
筋力そのものが向上したのかもしれません。
フォームが改善したのかもしれません。
高頻度でベンチプレスを行ったことで、動作が安定したのかもしれません。
あるいは、それまでのトレーニングで蓄積していた疲労が抜けたことで、結果として自己ベストを更新できることもあります。
そのため、「3週間で20kgアップした」という結果だけを見て、同じ結果を自分にも期待するのは適切ではありません。
スモロフJr.は「魔法のプログラム」ではない
では、スモロフJr.には意味がないのでしょうか。
もちろん、そういうことではありません。
むしろスモロフJr.の価値は、短期間で魔法のように筋力を増やすことではなく、ベンチプレスに高頻度・高ボリュームで取り組み、一定期間に集中して記録向上を狙うことにあります。
普段のトレーニングでベンチプレスを週1~2回程度しか行っていない人であれば、週4回という頻度でベンチプレスそのものを練習することで、自分のフォームや動作を見直すきっかけになる可能性があります。
一方で、すでに週4回近い頻度でベンチプレスを行っている人にとっては、単純に「週4回に増やす」こと自体が大きな刺激になるとは限りません。
つまり、同じスモロフJr.でも、現在のトレーニング内容によって得られる意味が変わるのです。
ここは、プログラムを選ぶときに非常に重要なポイントです。
競技者は「プログラム」より「自分の弱点」を見る
特に競技者の場合、トレーニングプログラムは「誰かが成功したから自分も同じものをやる」という考え方ではありません。
試合までどのくらい期間があるのか。
現在どの程度の重量を挙げられるのか。
ベンチプレスのどの局面が弱いのか。
週に何回トレーニングできるのか。
どの程度の疲労なら回復できるのか。
スクワットやデッドリフトなど、他の種目との兼ね合いはどうなのか。
こうした条件を考えたうえで、自分に必要な方法を選択します。
吉川望自身も、ベンチプレス競技で全日本優勝を4回経験しています。
だからこそ、競技者としてベンチプレスの重量を伸ばしていくうえで重要なのは、単に「有名なプログラムをこなした」という事実ではないと考えています。
自分の記録を伸ばすために、今の自分には何が必要なのかを判断すること。
これがトレーニングプログラムを選ぶうえでの基本です。
スモロフJr.も、決して「これをやれば必ず強くなる」という万能な方法ではありません。
しかし、ベンチプレスを一定期間集中的に強化したい人にとっては、明確な目的を持って活用できるプログラムの一つです。
大切なのは、スモロフJr.に自分を合わせるのではなく、自分の目的にスモロフJr.が合っているかを考えることです。
重要なのは「どのプログラムか」より「なぜ使うのか」
ベンチプレスの重量を100kg、120kg、140kgと伸ばしていく中では、スモロフJr.以外にもサイクルトレーニングなど、さまざまなトレーニング方法があります。
だからこそ、重要なのは「今流行っているプログラムは何か」ではありません。
「自分は今、何が原因で重量が伸びていないのか」
そして、
「その問題を解決するために、このプログラムが本当に必要なのか」
を考えることです。
フォームに問題があるのであればフォームを見直す必要があります。
トレーニング量が不足しているのであれば、適切なボリュームを確保する必要があります。
疲労が蓄積しているのであれば、さらにトレーニング量を増やすのではなく、回復を優先する必要があります。
このように、ベンチプレスを伸ばす方法は一つではありません。
吉川導場が考える「プログラムとの付き合い方」
吉川導場では、単純に「このプログラムをやれば重量が伸びる」と考えるのではなく、一人ひとりの現在地と目標から、どのようなトレーニングが必要なのかを考えることを大切にしています。
吉川望自身、ベンチプレス競技で全日本選手権4度の優勝を経験しています。
競技者として長くベンチプレスに取り組んできたからこそ、重要なのはプログラムの名前ではなく、その人が現在どこにいて、どこを目指しているのかだと考えています。
同じ「ベンチプレスを強くなりたい」という目標でも、100kgを目指している人と、140kg、160kgを目指している競技者では、必要になるトレーニングも考え方も変わります。
そのため、スモロフJr.についても、「有名だからやる」のではなく、「自分の目標達成に必要だから使う」という視点を持つことが大切です。


