ベンチプレスの重量が伸びない原因7選|停滞期を突破する方法
ベンチプレスを続けているのに、なかなか重量が伸びない。以前は順調に記録が伸びていたのに、最近は同じ重量で何週間も停滞している。
そんなとき、「もっと重い重量を持たなければ」「もっとトレーニングしなければ」と考えてしまう人は少なくありません。
しかし、ベンチプレスの重量が伸びない原因は、単純な筋力不足だけではありません。
この記事の結論
ベンチプレスの重量が伸びない原因として、主に次の7つが考えられます。
- トレーニング頻度が少ない
- 重量・回数・セットの設定が合っていない
- 毎回自己ベスト更新を狙っている
- 同じトレーニングを続けすぎている
- 高重量・「重さ慣れ」に頼りすぎている
- 疲労が抜けていない
- 睡眠・回復を軽視している
重量を伸ばしたいからといって、ただ高重量に挑戦し続ければよいわけではありません。トレーニング頻度、重量、回数、セット、トレーニング内容、疲労、睡眠・回復の状態を見直し、自分の目的や状態に合わせて調整することが、停滞期を突破するためのポイントです。
ベンチプレスは、トレーニングを続けているだけで一定のペースで伸び続けるわけではありません。
初心者のうちは比較的順調に重量が伸びても、ある時期から伸びが鈍くなったり、以前は上がっていた重量が重く感じられたりすることがあります。
こうした停滞期を突破するには、単純にトレーニング量を増やすのではなく、現在のトレーニング方法が目的や状態に合っているのかを確認することが重要です。
この記事では、ベンチプレスを専門に扱ってきた経験・競技経験・指導経験をもとに、重量が伸びないときに確認したい7つの原因と、停滞期を抜けるための考え方を解説します。
ベンチプレスの重量が伸びないのはなぜ?
ベンチプレスの重量が伸びないとき、まず考えてほしいのは、「重量が伸びない=筋力が足りない」と単純に考えないことです。
トレーニング頻度、重量設定、回数、セット数、トレーニング内容、疲労、睡眠など、さまざまな要素が関係しています。
特に注意したいのが、重量が伸びないときに「もっと頑張る」という方法だけに偏ってしまうことです。
毎回のように自己ベストへ挑戦しているのであれば、努力不足ではなく、疲労が蓄積している可能性があります。
反対に、いつも同じ重量・同じ回数・同じセットを繰り返しているのであれば、トレーニング刺激に体が慣れている可能性もあります。
また、「もっと重い重量を持って重さに慣れれば強くなる」と考えている場合も、実際のベンチプレス動作につながっているのかを確認する必要があります。
つまり、重量が伸びないときに必要なのは、必ずしも「さらに頑張ること」ではありません。
現在のトレーニングを分析し、どこに問題があるのかを見つけて調整すること。
これが停滞期を突破するための基本的な考え方です。
ベンチプレスの重量が伸びない原因7選
原因① トレーニング頻度が少ない
ベンチプレスを強くしたいのであれば、トレーニングできる機会を確保することは重要です。
ベンチプレスは、1回のトレーニングで大量に行えば、それだけ強くなるというものではありません。
週1回しかトレーニングできない場合、その1回に大量のトレーニングを詰め込む方法には限界があります。
長時間のトレーニングを行えばよいというわけではなく、トレーニングできる日を複数確保し、適切に分けて取り組むほうが考えやすいケースもあります。
ベンチプレスを強くすることだけを考えれば、トレーニング頻度を増やすメリットがあります。
ただし、これは「週1回では強くなれない」という意味ではありません。
仕事や家庭、学校などの事情によって、週1回しかトレーニングできない人もいます。
その場合は、限られた条件の中でトレーニングの質を高め、継続することが重要です。
一方で、本当は週2回、週3回とトレーニングできる環境なのに、なんとなく週1回になっているのであれば、トレーニングできる曜日を確保できないか見直してみましょう。
「週何回が正解か」ではなく、「現在の生活の中で、どれだけ適切にトレーニング機会を確保できるか」という視点で考えることが大切です。
原因② 重量・回数・セットの設定が合っていない
ベンチプレスの重量が伸びない人に多いのが、「何kgで何回やればいいのか分からない」という状態です。
トレーニングを考えるとき、重量だけを見るのではなく、重量・回数・セット数を組み合わせて考える必要があります。
たとえば、毎回1回の限界重量ばかりを追い続ける人もいれば、高回数のトレーニングばかりを続ける人もいます。
ベンチプレスでは、1回、2~3回、5回、8回など、異なる回数帯によって体の慣れ方やトレーニングの刺激が変わります。
重量が伸びないときは、「何kg上げられるか」だけではなく、「何回の重量に慣れているのか」という視点を持ってみてください。
たとえば、1回の重量は強いのに、5~8回になると急に弱くなる場合があります。
これは、筋力そのものだけではなく、特定の回数帯に体が慣れているという見方もできます。
また、週2回ベンチプレスを行う場合、2日とも同じ内容にする方法もあれば、重量や回数、フォームなどを変えて内容を分ける方法もあります。
初心者であれば、トレーニング内容を固定して動作を安定させる方法もあります。
一方で、ある程度経験を積んで停滞している場合には、重量・回数・セットなどを調整することで、現在とは異なる刺激を入れる方法も考えられます。
重量だけを上げ下げするのではなく、重量・回数・セットを一つの組み合わせとして見直すことがポイントです。
原因③ 毎回自己ベスト更新を狙っている
ベンチプレスの重量が伸びないときほど、自己ベストにこだわってしまうことがあります。
「先週95kgだったから、今週は97.5kg」
「前回100kgが失敗したから、今週こそ成功させる」
このように毎週のように限界重量へ挑戦する方法です。
もちろん、自己ベストを狙うこと自体が悪いわけではありません。
問題は、高重量への挑戦を長期間続けすぎることです。
ベンチプレスの使用重量のピークは、単純に1日、2日休めばすぐに戻るものとは限りません。
高重量に挑戦できる状態を長く維持できるわけではなく、何週間も高重量への挑戦を続ければ、疲労が蓄積していくことがあります。
疲労した状態で無理に高重量を続けると、フォームが崩れたり、怪我につながったりする可能性もあります。
そのため、重量が伸びなくなったときには、一度重量を落とすという選択肢を持っておくことが重要です。
重量を落とすと聞くと、「弱くなってしまう」と考えるかもしれません。
しかし、重量を落として一度疲労を抜き、そこから段階を踏んで再び高重量へ向かうという考え方もあります。
「重量を落とす=後退」ではありません。
次の記録を狙うために、あえて現在の重量から離れる期間を作るという考え方です。
原因④ 同じトレーニングを続けすぎている
ベンチプレスの停滞期では、現在のトレーニングに体が慣れていないかも確認してみましょう。
たとえば、100kgを目標にして95kgを何週間も挑戦しているとします。
最初は100kgに近づくためのトレーニングだったはずが、いつの間にか「95kgをできるだけ軽く上げる」ことに体が慣れてしまうことがあります。
このような場合は、重量や回数を変えてみる方法があります。
1回の限界重量を狙っていて伸び悩んでいるのであれば、一度重量を落として8回程度を狙うトレーニングへ移行する。
反対に、高回数のトレーニングに慣れて1回の重量が伸びなくなっているのであれば、重量を上げて5回程度を狙う。
さらに、3回、2回など異なる回数帯へ移行する方法もあります。
重要なのは、停滞したからといって、必ずしもトレーニング量を増やす必要はないということです。
重量、回数、セットを変えることで、体に異なる刺激を与えるという考え方もあります。
「停滞=才能がない」と考えるのではなく、現在のトレーニングに体が慣れていないかを確認してみてください。
原因⑤ 高重量・「重さ慣れ」に頼りすぎている
「いつか100kgを上げたいから、100kgを持つ練習をしておこう」と考える人もいるでしょう。
いわゆる「重さ慣れ」です。
高重量を持つことによって、体を重量に慣らすという考え方には一定の意味があります。
ただし、重い重量を持つことと、実際にその重量をベンチプレスとして挙げることは同じではありません。
たとえば、現在80kgしか上がらない人が100kgをラックアップして、そのまま支える練習をしたとします。
これは100kgという重量を支える練習にはなります。
しかし、そこから胸まで下ろしてプレスするわけではありません。
ベンチプレスには、ラックアップ、胸を張る動作、肩甲骨の安定、シャフトを胸まで下ろす動作、そこからのプレスという一連の動作があります。
ラックアップして高重量を支えるだけの場合、実際のベンチプレスとは異なる動作になります。
そのため、「重さに慣れること」と「ベンチプレスそのものが強くなること」を分けて考える必要があります。
高重量トレーニングそのものを否定する必要はありません。
重要なのは、高重量を使う目的を明確にすることです。
「ただ重い重量を持つ」のか、「実際のベンチプレスの動作につなげるために高重量を使う」のかでは、意味が変わってきます。
原因⑥ 疲労が抜けていない
ベンチプレスの重量が伸びないとき、トレーニング内容だけを見ていないでしょうか。
もう一つ確認したいのが、現在のトレーニング量に対して、体が回復できているかということです。
ベンチプレスを強くするためには、トレーニングで刺激を与えるだけでなく、その後の回復も考える必要があります。
特に、高強度のトレーニングを頻繁に行っている場合は、疲労が蓄積していないか確認してください。
「もっとトレーニングすれば強くなる」という考え方だけでは、停滞期を抜けられない場合があります。
重量が以前より重く感じる。
フォームが安定しない。
トレーニング中に力が入りにくい。
高重量の後に強い疲労が残る。
こうした状態が続いているのであれば、トレーニング量を増やす前に、現在の疲労状態を確認してみましょう。
また、トレーニング後の食事についても、生活リズムやトレーニング時間によって考え方は変わります。
夜遅くに高強度のトレーニングを行う場合、就寝直前に重い食事を取ることで睡眠や翌日の感覚に影響が出る人もいます。
食事量やタイミングについては個人差があるため、一つの方法を全員に当てはめるのではなく、自分の体調や生活リズムを確認しながら調整することが重要です。
原因⑦ 睡眠・回復を軽視している
ベンチプレスを強くなりたい人ほど、トレーニングそのものに意識が集中します。
「今日は何kgやるか」
「何セットやるか」
「どんなフォームで行うか」
もちろん、これらは重要です。
しかし、トレーニングをした後に体が回復できているかも確認してください。
睡眠を削ってトレーニング時間だけを増やしても、思ったように記録が伸びないことがあります。
睡眠は、トレーニングと切り離して考えるものではありません。
強くなるためのトレーニングには、睡眠や休養も含まれます。
睡眠時間には個人差がありますが、まずは慢性的に睡眠時間を削っていないか確認してみましょう。
特に、高重量トレーニングを続けているのに記録が落ちてきている場合は、トレーニング内容だけではなく睡眠や疲労の状態まで含めて見直すことが重要です。
「もっと練習する」だけではなく、「今のトレーニングから十分に回復できているか」という視点を持ってください。
ベンチプレスが伸び悩んでいる原因は、単純に「努力が足りない」ということではありません。
トレーニング頻度や重量・回数・セットの設定、毎回の自己ベスト更新、同じトレーニングの継続、高重量への慣れ、疲労や睡眠など、いくつかの要因が重なっていることもあります。自分では気づきにくい原因を整理することで、伸び悩みを抜け出すための方法が見つかるかもしれません。
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吉川導場のオンライン指導を見る停滞期を突破するために見直したい5つのこと
ここまで、ベンチプレスの重量が伸びない7つの原因を紹介しました。
では、実際に停滞してしまったとき、何を見直せばよいのでしょうか。
一度にすべてを変更するのではなく、次の5つを順番に確認してみてください。
1.トレーニング頻度を見直す
現在の生活の中で、トレーニングできる日を増やせないか確認します。
ただし、週1回しかできない人が無理をする必要はありません。
現在の環境で継続できる頻度を確保することが大切です。
2.重量・回数・セットを見直す
「重量が伸びないから重量を上げる」だけではなく、回数やセット数も確認します。
現在どの重量を、何回、何セット行っているのかを記録しておくと、停滞した原因を考えやすくなります。
3.自己ベストへのこだわりを見直す
何週間も高重量に挑戦し続けているのであれば、一度重量を落とすことを検討します。
記録を狙うために、あえて記録を狙わない期間を作ることも選択肢の一つです。
4.トレーニング内容を変える必要があるか考える
同じ重量、同じ回数、同じセットを繰り返しているのであれば、回数や重量を変えてみます。
大きくメニューを変える前に、現在のトレーニングを少しアレンジするだけでも構いません。
5.疲労・睡眠・回復状態を確認する
最後に、トレーニング以外の部分を確認します。
疲労が抜けているか。
睡眠時間は確保できているか。
トレーニングを増やすことばかり考えていないか。
強くなるためには、トレーニングと回復をセットで考えてください。
重量が伸びないときに考えたい「強くなるための考え方」
ベンチプレスの重量を伸ばしたいのであれば、「何kg上げるか」だけを考えるのではなく、「何を目的にトレーニングしているのか」を明確にすることも大切です。
トレーニングの目的が複数になりすぎると、一つの目的を追求しにくくなることがあります。
たとえば、「ベンチプレスを強くしたい」と思いながら、同時に背中を大きくしたい、肩を大きくしたい、腕を太くしたい、体脂肪も落としたい、とすべてを同じ強度で追いかけていれば、ベンチプレスに使えるリソースも少なくなります。
もちろん、筋トレには複数の目的があって構いません。
ただ、「今はベンチプレスを強くする」と決めた期間があるなら、その期間はベンチプレスをトレーニングの中心にするという考え方もあります。
また、重量が伸びないときには、自分の弱点を考えることも重要です。
「なぜこの重量が上がらないのか」
「どこで止まっているのか」
「今のフォームで力を出せているのか」
こうした部分を一つずつ確認します。
重量だけを追い続けるのではなく、トレーニングそのものを観察することも、長くベンチプレスを続けていくうえでは重要です。
さらに、トレーニング環境や使用する道具を大切にすることも、トレーニングの質を考えるうえで無視できません。
強い選手ほど、トレーニングで使用する道具や環境を丁寧に扱い、1回のトレーニングを大切にする傾向があります。
これは「道具をきれいに使えば重量が伸びる」という単純な話ではありません。
トレーニングに対する意識や環境へのこだわりが、1回1回のトレーニングの質に影響するという考え方です。
それでも重量が伸びないときは?
ここまで7つの原因を確認しても、すぐに重量が伸びるとは限りません。
ベンチプレスは、人によって体格、経験、フォーム、得意な回数帯、トレーニング環境が違います。
同じメニューを行えば、全員が同じように伸びるわけではありません。
だからこそ、トレーニングの記録を残しておくことが重要です。
- 使用重量
- 回数
- セット数
- トレーニング頻度
- その日の調子
- 疲労の状態
- 睡眠の状態
- 自己ベストの更新状況
こうした情報を残しておけば、重量が伸びたときにも「なぜ伸びたのか」を考えることができます。
逆に、伸びなかったときにも「何が原因だったのか」を振り返ることができます。
また、自分のフォームを動画で撮影して確認したり、第三者に見てもらったりすることも一つの方法です。
自分では「いつも通り」にやっているつもりでも、疲労によってフォームが変化していることがあります。
停滞期だからといって、必ず新しいトレーニングを追加する必要はありません。
今やっているトレーニングを一度冷静に見直すこと。
それだけでも、改善できる部分が見つかることがあります。
まとめ
ベンチプレスの重量が伸びないとき、「筋力が足りない」「もっと頑張らなければいけない」とだけ考えないことが大切です。
重量が伸びない原因には、次のような複数の要素があります。
- トレーニング頻度が少ない
- 重量・回数・セットの設定が合っていない
- 毎回自己ベスト更新を狙っている
- 同じトレーニングを続けすぎている
- 高重量・「重さ慣れ」に頼りすぎている
- 疲労が抜けていない
- 睡眠・回復を軽視している
特に覚えておいてほしいのは、「重量が伸びないから、さらに重量を上げる」という方法だけが正解ではないということです。
重量を落とす。
回数を変える。
セット数を見直す。
トレーニング頻度を考える。
疲労を抜く。
睡眠を確保する。
こうした調整も、ベンチプレスを強くするためのトレーニングの一部です。
そして、停滞期は「才能がない」ということではありません。
現在のトレーニング方法が、今の目的や状態に合っているのかを確認するタイミングでもあります。
重量が伸びないときこそ、重量だけを見るのではなく、トレーニング全体を見直してみてください。
ベンチプレスの重量が伸び悩んでいる方へ
ベンチプレスは、重量を上げるだけではなく、フォーム、重量設定、回数、セット、頻度、疲労や回復まで含めて考える必要があります。
「自分のトレーニングの何が原因なのか分からない」「停滞期をどう抜ければいいのか分からない」という方は、ベンチプレス専門の吉川導場でトレーニングを見直してみてください。
