ベンチプレス【5×5プログラムとは?】重量設定・頻度・やり方を解説
ベンチプレスの重量を伸ばしたいと考えていると、「5×5」というトレーニング方法を目にすることがあります。
5×5とは、その名前の通り「5回×5セット」を基本とするトレーニング方法です。
非常にシンプルなメニューですが、実際に取り入れようとすると、
- 「何kgで5×5をやればいい?」
- 「1RMの何%が適切?」
- 「週に何回やればいい?」
- 「5セット全部できなかったらどうする?」
- 「100kgを目指す場合にも5×5は使える?」
- 「5×5を続けているのに重量が伸びなくなったのはなぜ?」
など、疑問が出てきます。
5×5は単純に「5回5セットを繰り返せばいい」というものではありません。
特にベンチプレスでは、重量の設定だけでなく、セット間の休憩、フォームの再現性、トレーニング頻度、疲労の管理まで考えることで、5×5をより効果的に活用できます。
この記事では、ベンチプレスの指導経験をもとに、5×5の基本的な考え方から、初心者が実践するときの重量設定、中上級者が取り入れる際の調整方法まで詳しく解説します。
結論:ベンチプレスの5×5は「5回5セット」を積み重ねながら少しずつ重量を伸ばす方法
ベンチプレスの5×5とは、基本的に同じ重量で5回×5セットを行い、5セットを安定して完遂できるようになったら少しずつ重量を増やしていくトレーニング方法です。
例えば80kgで5×5を行う場合は、
- 1セット目:80kg×5回
- 2セット目:80kg×5回
- 3セット目:80kg×5回
- 4セット目:80kg×5回
- 5セット目:80kg×5回
という形になります。
初めて取り組む場合は、1RMの70~75%程度をスタート重量の目安にできます。
ただし、これは絶対的なルールではありません。
重要なのは、単に1セット目で5回できる重量ではなく、5セット目までフォームを大きく崩さず5回を繰り返せる重量を選ぶことです。
5セットすべてを安定して完遂できるようになったら、次回は2.5kg程度重量を増やします。
反対に、5×5を完遂できなかった場合は、無理に重量を増やさず、同じ重量で再挑戦することを基本にします。
5×5の基本的な考え方
「重い重量を一度だけ挙げるトレーニング」ではなく、十分な重量を高い再現性で繰り返し、少しずつ強くなっていくための方法と考えると分かりやすいでしょう。
5×5プログラムとは?ベンチプレスで行う基本的なやり方

5×5は、筋力トレーニングで広く知られている方法の一つです。
代表的な5×5プログラムでは、スクワットやベンチプレス、デッドリフトなどの基本種目を中心に、5回×5セットを行いながら重量を段階的に増やしていきます。
特に有名なのがStrongLifts 5×5で、5回×5セットを基本として、設定したセットをすべて成功できた場合に次回の重量を増やすという考え方が採用されています。
ただし、ここで注意したいのが、
「5×5プログラム」と「ベンチプレスを5×5で行うこと」は必ずしも同じではない
という点です。
本来の5×5プログラムは複数の種目を組み合わせた全身トレーニングとして設計されています。
一方、ベンチプレスの重量を伸ばす目的であれば、ベンチプレスだけを5×5として取り入れることもできます。
5×5の基本は「同じ重量で5セット」
例えば75kgで5×5を設定した場合、
- 75kg×5回
- 75kg×5回
- 75kg×5回
- 75kg×5回
- 75kg×5回
を目指します。
1セット目だけ75kgで5回できればいいわけではありません。
5セット目まで同じ重量を扱うため、セットが進むにつれて疲労が蓄積します。
そのため、1セット目で「楽に5回できたから、もっと重量を上げよう」と考えるのではなく、5セット終了時点での余力まで含めて重量を評価することが重要です。
なぜ5回×5セットなのか?
5回という回数は、1回や2回のような非常に高重量のトレーニングと、10回以上の高回数トレーニングの中間に位置します。
そのため5×5では、
- ある程度重い重量を扱える
- 複数回の反復ができる
- 1回あたりのフォーム練習を確保できる
- 1回のトレーニングで十分なセット数を確保できる
という特徴があります。
もちろん、5×5をやれば必ずベンチプレスが伸びるという意味ではありません。
筋力を伸ばすためには、トレーニングだけでなく、栄養、睡眠、疲労管理、フォームなども関係します。
5×5はその中で、トレーニングを計画的に進めるための一つの方法です。
ベンチプレス5×5の重量設定は何kg?1RMから決める方法

5×5を始めるときに、最初に迷うのが重量です。
「5回できる重量」と言っても、人によって違います。
そこで初めて5×5を組む場合は、現在の1RMの70~75%程度を一つの目安として考えるとよいでしょう。
例えば1RMが100kgなら、
- 70% → 70kg
- 75% → 75kg
となります。
1RM別にすると、おおよそ以下のようになります。
| 1RM | 70% | 75% |
|---|---|---|
| 80kg | 56kg | 60kg |
| 90kg | 63kg | 67.5kg |
| 100kg | 70kg | 75kg |
| 110kg | 77.5kg | 82.5kg |
| 120kg | 84kg | 90kg |
| 130kg | 91kg | 97.5kg |
| 140kg | 98kg | 105kg |
| 150kg | 105kg | 112.5kg |
ただし、表の数字をそのまま採用する必要はありません。
1RMの%は「正解」ではなくスタート地点
同じ1RM100kgでも、
75kg×5回×5セットを余裕でできる人もいれば、3セット目から急激に回数が落ちる人もいます。
これは筋力の特徴やトレーニング経験、普段のセットの組み方などによって差が出るためです。
したがって、
「1RM100kgだから75kgで5×5をやらなければならない」
とは考えないようにしましょう。
5セット目まで確認する
例えば、
- 70kg×5
- 70kg×5
- 70kg×5
- 70kg×5
- 70kg×5
を問題なく完遂できたとします。
次回は72.5kgに上げるという考え方ができます。
一方、
- 77.5kg×5
- 77.5kg×5
- 77.5kg×4
- 77.5kg×4
- 77.5kg×3
となった場合は、77.5kgでは5×5として設定するには重すぎます。
この状態で「根性で続ける」のはおすすめできません。
重量を下げる、あるいは同じ重量で再挑戦して、5セットの質を取り戻します。
5×5では、最初のセットで何kg挙げられたかよりも、最後まで同じ目的のセットを積み重ねられたかを重視しましょう。
5×5の重量は毎回増やす?2.5kgずつ上げる基本ルール
5×5では、トレーニングが成功するたびに少しずつ重量を増やしていきます。
例えば、
70kg → 72.5kg → 75kg → 77.5kg → 80kg
という流れです。
ベンチプレスでは、基本的に2.5kg程度の増加から始めると管理しやすいでしょう。
ただし、重量が上がってくると2.5kgの増加でも大きな負荷になります。
その場合は、
+1.25kg
という小さな増加に変更する方法もあります。
5×5が成功したら重量を上げる
例えば、
75kg×5×5成功
なら、
次回77.5kg×5×5
を狙います。
77.5kgも成功すれば、
80kg×5×5
へ進みます。
このように、毎回少しずつ負荷を上げることを「漸進的過負荷」といいます。
筋力トレーニングでは、現在の能力に対して適切な負荷を与え、それに適応したらさらに負荷を高めていくことが重要です。
ただし、「成功したら必ず2.5kg上げなければいけない」という意味ではありません。
5セット目がギリギリで、フォームが崩れながら何とか成功したのであれば、次回も同じ重量で行うという選択肢があります。
中級者は「成功・失敗」だけで判断しない
ここは初心者と中級者で考え方が変わってくるポイントです。
初心者であれば、
「5×5できた→重量を上げる」
という単純なルールでも十分機能しやすいでしょう。
しかし、ベンチプレスがある程度伸びてくると、毎回のコンディションによってパフォーマンスが変わります。
例えば、
- 昨日あまり寝ていない
- 前回のトレーニングから疲労が残っている
- 仕事が忙しく食事量も少なかった
という日に、前回と同じ重量が急に重く感じることがあります。
この場合、1回の失敗だけで「筋力が落ちた」と判断する必要はありません。
トレーニングの結果を数週間単位で見ることが、中上級者になるほど重要になります。
5×5は週何回やればいい?初心者と中上級者で考え方を変える
5×5の頻度については、「週○回が絶対」という答えはありません。
代表的なStrongLifts 5×5は週3回の全身トレーニングを基本としています。
しかし、ベンチプレスを強くするために5×5を取り入れるのであれば、週2回からでも十分に実践できます。
初心者なら週2回でも十分
例えば、
月曜日
ベンチプレス5×5
木曜日
ベンチプレス5×5
という形です。
ベンチプレスを始めたばかりなら、週2回の練習でもフォームを繰り返す機会を確保できます。
特に重要なのは、回数を増やすことよりも、
毎回同じセットアップを作れること
です。
- 肩甲骨を安定させる
- 足を適切な位置に置く
- 胸の位置を決める
- バーを毎回同じ位置に下ろす
- 足で床を押して身体を安定させる
こうした動作を5回×5セット繰り返すことで、ベンチプレスの基本動作を身につける練習にもなります。
週3回なら「全部重くする必要はない」
一方で、週3回ベンチプレスを行う場合、毎回5×5を限界に近い重量で行う必要はありません。
例えば、
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月曜日 | 5×5 重め |
| 水曜日 | 軽めのベンチプレス |
| 金曜日 | 5×5 中程度 |
というように、トレーニングごとに役割を変えることもできます。
中級者以上では、このような「重い日・軽い日」を作る考え方が重要になります。
Madcow 5×5でも、同じ重量を毎回繰り返すのではなく、トレーニング日によって負荷を変えながら週単位で重量を伸ばしていく設計が使われています。
つまり、
5×5=毎回全力
ではありません。
むしろ、長期的に重量を伸ばしたいなら、疲労を管理しながら「次のトレーニングでも質の高いセットができる状態」を作ることが大切です。
ベンチプレスの5×5で停滞したら?重量を下げることも成長戦略

5×5を続けていると、必ずと言っていいほど壁にぶつかります。
例えば、
80kg×5×5成功
↓
82.5kg×5×5成功
↓
85kg×5×5失敗
↓
85kg×5×5失敗
↓
また失敗
という状態です。
このときに、
「もっと頑張らないと」
と考えて毎回85kgに挑戦し続ける必要はありません。
むしろ、ここからの調整が5×5を上手に使うポイントです。
まずは重量を少し戻す
一つの方法は、重量を5~10%程度下げて、再び積み上げることです。
例えば85kgで停滞した場合、
80kg×5×5
まで戻します。
そこから、
80kg → 82.5kg → 85kg
と再び上げていきます。
これを「後退」と考える必要はありません。
一度重量を下げることで疲労を整理し、再び負荷を積み上げることができます。
それでも伸びないなら「5×5が悪い」のではない
何度も停滞する場合は、プログラム以外の部分を確認しましょう。
特に見直したいのが、
- フォーム
- トレーニング頻度
- 総セット数
- 休養
- 食事
です。
例えば、ベンチプレスを週3回5×5で行いながら、さらに胸の高ボリュームトレーニングを追加していれば、単純にトレーニング量が多すぎる可能性があります。
逆に、週1回しかベンチプレスをしていないのであれば、技術練習の頻度が不足している可能性もあります。
重量が伸びないときに、
「もっと重量を増やす」だけが解決策ではありません。
中上級者が5×5を使うなら「5回×5セット」にこだわりすぎない
5×5は初心者にとって非常に分かりやすい方法です。
しかし、ベンチプレスの重量が高くなってくると、単純な5×5を続けるだけでは疲労が大きくなります。
例えば、1RM150kgの人が112.5kg程度で5×5を行う場合、合計25回のセットはかなりのトレーニング量になります。
さらに週3回同じような負荷をかければ、筋力を伸ばす前に疲労が蓄積する可能性があります。
そこで中上級者の場合は、5×5を「ベンチプレスのトレーニング全体の一部」として使うという考え方が有効です。
例えば「重い日」と「軽い日」を作る
一例として、
| 曜日 | 内容 |
|---|---|
| 月曜日 | ベンチプレス 5×5 |
| 水曜日 | ベンチプレス 3×5(軽め) |
| 土曜日 | ベンチプレス 4×3(重め) |
というように、同じベンチプレスでも刺激を変える方法があります。
これは5×5を否定するものではありません。
5×5で確保できるボリュームを残しつつ、高重量に慣れる日やフォーム練習の日を組み合わせるという考え方です。
5×5で伸びなくなったら弱点を見る
中級者以上になると、
「胸の筋肉が足りない」
だけが問題ではありません。
例えば、
- 胸から離れた直後に止まる
- 中盤から押し切れない
- ラックアウト付近で止まる
- バーが左右にブレる
- 胸まで下ろした瞬間に力が抜ける
など、どこで失速するかによって対策は変わります。
胸から離れた直後が弱いのであれば、ポーズベンチなどを取り入れる。
中盤から押し切れないのであれば、三頭筋を含めた補助種目を検討する。
セットアップそのものが不安定なら、重量を追う前にフォームを見直す。
このように、「5×5で何kgできたか」だけではなく、「どこで失敗したのか」を見ることが中上級者には重要です。
5×5で重量を伸ばすために意外と重要な「休憩時間」
5×5を実践するとき、重量やセット数ばかり気にして、セット間の休憩を適当にしてしまう人がいます。
しかし、5×5では休憩時間も重要です。
5回を5セット行う場合、後半のセットでは疲労が蓄積します。
その状態で休憩時間を短くしすぎれば、筋力が回復する前に次のセットを始めることになります。
結果として、
- 1セット目:5回
- 2セット目:5回
- 3セット目:4回
- 4セット目:4回
- 5セット目:3回
というように、重量ではなく休憩不足によって失敗する可能性があります。
ベンチプレスの5×5では、セットごとのパフォーマンスを維持するために十分な休憩を取ることが大切です。
初心者なら、まずは3~5分程度を目安にして、自分が5回を安定して繰り返せる時間を探してみるとよいでしょう。
「3分で休憩を終わらせなければいけない」というルールではありません。
重要なのは、心拍数や呼吸が落ち着き、次のセットで集中してベンチプレスを行える状態になることです。
中上級者で高重量を扱う場合は、さらに長い休憩が必要になることもあります。
ベンチプレス5×5は「重量を増やすゲーム」ではない

5×5の魅力は、非常にシンプルなことです。
「5回×5セットを成功させる」という明確な目標があり、
「できたら少し重量を上げる」
というルールで進められます。
そのため、ベンチプレス初心者がトレーニングの進め方を学ぶには非常に使いやすい方法です。
一方で、5×5を長く続けるのであれば、単純に重量を増やすだけでは不十分です。
大切なのは、
「今の自分にとって、質の高い5×5を行えているか?」
という視点です。
例えば、
75kg×5×5をきれいなフォームで行える人と、
85kg×5×5をフォームを崩しながら何とか行っている人では、同じ「5×5成功」でも意味が違います。
ベンチプレスでは、重量が上がるほどフォームのわずかな違いが結果に影響します。
だからこそ、
重量を上げることより、重量を上げてもフォームとパフォーマンスを維持できること
を目標にしてください。
初心者はシンプルに始める
これから5×5を始める人は、難しく考える必要はありません。
まずは現在の1RMから70~75%程度を目安に重量を設定します。
そして、
5回×5セットを安定して完遂できるか
を確認します。
できたら次回は2.5kg程度増やす。
できなければ同じ重量で再挑戦する。
これだけでも十分に5×5の基本を実践できます。
中級者以上は「5×5をどう使うか」を考える
一方で、すでにベンチプレスを長く続けている人は、
「5×5を何kgでやるか」
だけではなく、
「5×5を今のプログラムのどこに入れるか」
を考えてみてください。
- 重い日と軽い日を分ける
- 5×5のセット数を減らす
- 重量を一度落として再スタートする
- 弱点に合わせて補助種目を変える
- 高重量の日を別に設定する
こうした調整によって、5×5を単なる初心者向けメニューではなく、自分のベンチプレスを伸ばすためのトレーニングツールとして活用できます。
ベンチプレス5×5プログラムのまとめ
最後に、この記事のポイントをまとめます。
- 5×5は5回×5セットを基本とするトレーニング方法
- 基本的には同じ重量で5セット行う
- 初めて行う場合は1RMの70~75%程度が重量設定の目安
- 1RMの%は絶対的な正解ではない
- 5セット目までフォームを維持できる重量を優先する
- 5×5を完遂できたら2.5kg程度重量を上げる
- 重量が上がりにくくなったら1.25kg刻みでもよい
- 初心者は週2回程度からでも取り入れられる
- 週3回行う場合は毎回高強度にする必要はない
- セット間は十分に休憩する
- 停滞したら重量を一度下げて再スタートする方法もある
- 中上級者は5×5だけにこだわらず、強度や頻度を調整する
- 重量が伸びない場合はフォームや弱点も確認する
- 5×5は「重量を増やすこと」ではなく「質の高いトレーニングを積み重ねること」が重要
5×5は、ベンチプレスのトレーニングをシンプルに管理できる優れた方法です。
ただし、5×5というメニューそのものがベンチプレスを強くしてくれるわけではありません。
現在の筋力に合った重量を設定し、正しいフォームで反復し、疲労を管理しながら少しずつ負荷を高めていく。
この積み重ねが、結果としてベンチプレスの重量アップにつながります。
そして、5×5で伸びなくなったときこそ、「もっと頑張る」だけではなく、自分のフォームや弱点、トレーニング頻度、疲労状態を見直すタイミングです。
もし「5×5をやっているのに重量が伸びない」「自分の場合は何kgから始めればいいのか分からない」という状態なら、単純にプログラムを変えるのではなく、まず現在のベンチプレスを分析してみましょう。
自分のレベルや弱点に合ったトレーニングを組むことで、同じ5×5でもその効果をより引き出せる可能性があります。

-とは?-300x300.png)