ベンチプレスの頻度を増やすと強くなる?週1・2・3回の組み方
「ベンチプレスは週に何回やれば強くなれるの?」
「週1回しかトレーニングできないけど、それでも記録を伸ばせる?」
「週2回、週3回と頻度を増やしたら、どんなメニューに変えればいい?」
ベンチプレスを本気で強くしたい人ほど、トレーニング頻度について悩むことがあります。
特に仕事や学校などで自由に使える時間が限られている場合、「もっとベンチプレスを練習したいのに、週1回しかできない」という状況になることも珍しくありません。
一方で、頻度を増やせば増やすほど良いというわけでもありません。大切なのは、増やした頻度をどのようにプログラムへ組み込み、1回あたりのトレーニング量や負荷をどう調整するかです。
この記事のポイント
- ベンチプレスを強くするなら、トレーニング頻度を確保することが重要
- 週1回にトレーニング量を集中させるより、複数日に分散する考え方がある
- 週2回なら「役割を分ける」、週3回なら「強度やボリュームを分散する」と考える
- 頻度を増やす場合は、単純に今までのメニューを回数分だけ増やさない
- エブリベンチや5×5、サイクルトレーニングなど、さまざまなプログラムを考える土台にもなる
結論から言うと、ベンチプレスを強くするためには、可能な範囲でトレーニング頻度を確保し、1回に集中させるのではなく複数回に分散して練習する考え方が有効です。ただし、週1回より週2回、週2回より週3回と単純に増やせばよいわけではありません。頻度を増やした分だけ、重量・回数・セット数・疲労を調整し、自分が継続できるプログラムにすることが重要です。
この記事では、吉川望自身の競技経験をもとに、ベンチプレスの頻度をどのようにトレーニングプログラムへ組み込むのかを解説します。
ベンチプレスを強くするなら、なぜトレーニング頻度が重要なのか?

ベンチプレスを強くなりたいと思ったとき、多くの人が最初に考えるのは「何kgで何回やるか」ではないでしょうか。
もちろん重量や回数は重要です。
しかし、ベンチプレスの記録を伸ばしていくうえでは、「何回その動作を練習できるか」という視点も大切になります。
今回の動画でも、実際に「ベンチプレスを頑張りたいけれど、仕事の都合で日曜日しかトレーニングできない」という相談をきっかけに、トレーニング頻度について話しています。
その相談者は、平日は仕事があり、トレーニングできるのが日曜日だけ。つまり、週1回しかベンチプレスを練習できない状況でした。
吉川自身も新卒時代には、仕事の影響で週1回程度しかトレーニングできなかった経験があります。
その後、トレーニングする時間を確保できる環境に変わり、週5〜6回程度ベンチプレスの練習をするようになると、記録が伸びていったという経験があります。
ここで重要なのは、「週5〜6回やれば誰でも伸びる」という話ではありません。
ポイントは、ベンチプレスを強くしたいのであれば、ベンチプレスを練習する機会そのものをどう確保するかということです。
この記事の内容を動画でも解説しています。ベンチプレスのトレーニング頻度について、吉川望自身の経験を交えてお話ししています。
1回にすべて詰め込めばいいわけではない
「週1回しかできないなら、その1日にたくさんトレーニングすればいい」と考える人もいるでしょう。
しかし、1日で5時間、6時間とベンチプレスを続ければ、それだけ効率が良くなるわけではありません。
むしろ、1回のトレーニングに大量の練習量を集中させることで、後半になるほど疲労が大きくなり、質の高い練習を続けることが難しくなります。
だからこそ、時間に余裕があるなら、1回にまとめるのではなく、複数日に分散するという考え方が出てきます。
ベンチプレスの頻度を増やす3つのメリット
では、ベンチプレスの頻度を増やすことで、具体的に何が変わるのでしょうか。
単純に「筋肉を鍛える回数が増える」というだけではありません。ベンチプレスという動作を繰り返し練習できることにも大きな意味があります。
① ベンチプレスの動作を練習する機会が増える
ベンチプレスは、単純に胸の筋肉だけを鍛える種目ではありません。
ラックアップからセットアップ、バーを受ける位置、下ろす位置、切り返し、足の使い方など、さまざまな動作を組み合わせて1回の挙上を行います。
そのため、練習回数が増えれば、それだけ自分のフォームを確認する機会も増えます。
- 毎回同じセットアップができているか
- バーを同じ軌道で動かせているか
- 足の力をうまく使えているか
- 重量が変わってもフォームを維持できているか
こうしたことを繰り返し確認できるのが、高頻度トレーニングの一つのメリットです。
② トレーニング量を複数日に分散できる
週1回しかトレーニングできない場合、その日にある程度のセット数をまとめる必要があります。
しかし週2回、週3回とトレーニングできるのであれば、同じような週間トレーニング量を複数日に分けて行うことができます。
例えば、1週間でベンチプレスを12セット行うとします。
| 頻度 | 1回あたりの目安 | 考え方 |
|---|---|---|
| 週1回 | 12セット | 1日に集中 |
| 週2回 | 6セット | 2日に分散 |
| 週3回 | 4セット | 3日に分散 |
もちろん、実際のセット数は経験や目的、他のトレーニングとの兼ね合いによって変わります。
ここで大切なのは数字そのものではなく、「週間で必要な練習量を、どう分散するか」という考え方です。
③ ベンチプレスに触れる時間を増やせる
今回の動画では、吉川自身の経験として「ベンチプレスに浸かる時間」が重要だという話をしています。
実際にトレーニングする時間だけでなく、他の選手のベンチプレスを見る、ベンチプレスについて考える、自分のフォームを振り返るといった時間も、競技を続けていくうえで刺激になります。
もちろん、動画を見るだけでベンチプレスが強くなるわけではありません。
しかし、「ベンチプレスを練習する環境にどれだけ身を置くか」という視点は、競技としてベンチプレスに取り組む人にとって重要です。
週1・週2・週3回でベンチプレスの組み方はどう変わる?

では、実際にベンチプレスの頻度をプログラムに組み込む場合、週1回・週2回・週3回では何が変わるのでしょうか。
ここでは「週○回が絶対に正解」という考え方ではなく、限られた頻度の中で、どのようにトレーニングを設計するかという視点で考えてみます。
週1回|まずは「できる日に確実にやる」
仕事や学校、家庭の事情などで週1回しかできないのであれば、無理に週2回、週3回にする必要はありません。
週1回しかできないなら、その1回を大切にすることがスタートです。
ただし、「週1回だから1日にできるだけ詰め込む」という考え方には注意が必要です。
ベンチプレスのメインセットを行い、必要な補助種目などを組み合わせながら、限られた時間の中で質を確保することを考えます。
週1回しかできないことを理由に、1日で無理をしすぎない。
これが重要です。
週2回|「役割を分ける」という考え方
週2回ベンチプレスができるようになると、トレーニングを分けて考えやすくなります。
例えば、
- 1日目:重量を扱う日
- 2日目:フォームやボリュームを重視する日
というように、同じベンチプレスでも日によって役割を変える方法があります。
ここで重要なのは、2日とも同じように限界まで追い込む必要はないということです。
「重い日」と「軽い日」を作ることで、トレーニングの目的を分けながら、週間の練習機会を増やすことができます。
実際、5×5系のプログラムでも、単純に毎回同じ負荷を繰り返すのではなく、経験が進むとトレーニング日ごとの負荷や種目を変える考え方があります。:contentReference[oaicite:2]{index=2}
週3回|強度・ボリューム・技術を分散する
週3回ベンチプレスができるのであれば、さらに細かく役割を分けることができます。
| 曜日 | 役割の例 | 考え方 |
|---|---|---|
| 1日目 | 高重量 | 強度を重視 |
| 2日目 | 軽め | フォーム・動作練習 |
| 3日目 | 中程度 | ボリュームを確保 |
このようにすると、週3回ベンチプレスを行っていても、毎回高重量で限界まで追い込む必要がありません。
むしろ、頻度を増やすほど、1回ごとの役割を明確にすることが重要になります。
StrongLiftsの5×5でも、基本的なプログラムでは週3回のトレーニングを行いながら、経験が進むと重量や種目を変化させる設計が用いられています。
「週に何回できるか」だけでなく、「その頻度で何をするか」まで考えることが、ベンチプレスのプログラム作りでは重要です。
ただ、自分の場合は週1回と週2回のどちらが合っているのか、どのくらいの重量・回数・セット数にすればいいのかを、一人で判断するのは簡単ではありません。
「ベンチプレスの記録を伸ばしたいけれど、自分に合ったトレーニング方法が分からない」という方は、ベンチプレスを専門に指導している吉川導場のオンライン指導もご活用ください。
頻度を増やすときに「やってはいけない」考え方
ここまで読むと、「それなら週1回より週3回、週3回より週5回の方がいいのでは?」と思うかもしれません。
しかし、ここには大きな注意点があります。
トレーニング頻度を増やすことと、トレーニング量をそのまま増やすことは同じではありません。
今までのメニューをそのまま3倍にしない
例えば、週1回でベンチプレスを10セット行っていたとします。
これを週3回に変更したからといって、毎回10セット行えば、単純計算で週間30セットになります。
頻度を増やす目的は、「今までのトレーニングを何倍にもすること」ではありません。
1週間のトレーニングを複数日に分散し、必要に応じて強度やセット数を調整することがポイントです。
毎回高重量にする必要はない
週3回ベンチプレスをするなら、毎回自己ベストに近い重量を扱いたくなるかもしれません。
しかし、それでは疲労が積み重なり、次のトレーニングの質が落ちる可能性があります。
そこで、
- 重い日
- 軽い日
- 中程度の日
というように、トレーニングごとに役割を持たせます。
実際にMadcow 5×5では、ヘビー・ライト・ミディアムという考え方で、トレーニング日によって負荷を変化させています。
「週に何回ベンチプレスを行うか」だけでなく、それぞれの日にどの程度の負荷を設定するかまで考えることで、頻度を活かしたプログラムを組みやすくなります。
「頻度を増やせない=伸びない」ではない
ここも非常に大切です。
仕事や学校、家庭などの事情によって週1回しかトレーニングできない人もいます。
今回の動画でも、吉川自身が新卒時代に週1回程度しかトレーニングできなかった経験について話しています。
その経験から言えるのは、「できないならやめる」のではなく、「できる範囲で続ける」ことが大切だということです。
そして、もし本当にベンチプレスの記録を伸ばしたいのであれば、「どうすればトレーニング時間を確保できるか」を考えることも、プログラム設計の一部になります。
ただし、睡眠時間を極端に削る、仕事や生活に大きな無理をかけるといった方法まで推奨するものではありません。
吉川自身も過去には仕事の後に深夜までトレーニングする生活を経験していますが、本人の経験としても身体への負担が大きかったと振り返っています。
「トレーニング頻度を増やす」と「生活を犠牲にする」は別の話です。
頻度をプログラムに組み込むなら「週間」で考える

ベンチプレスのプログラムを考えるとき、初心者ほど「今日何kgを何回やるか」だけに目が向きがちです。
しかし、中級者以上になってくるほど、1回のトレーニングではなく、1週間、さらに数週間という単位で考えることが重要になります。
「今日」ではなく「1週間」でトレーニングを見る
例えば、月曜日に重いベンチプレスを行ったとして、水曜日には軽めのベンチプレス、金曜日には中程度のベンチプレスを行うとします。
水曜日のトレーニングだけを見ると、「こんな軽い重量で本当に強くなるの?」と思うかもしれません。
しかし、月・水・金を合わせて1週間のプログラムとして見ると、重い刺激、技術練習、ボリュームをそれぞれ役割分担させていることが分かります。
つまり、1回ごとのトレーニングを評価するのではなく、1週間全体で何を積み上げたのかを見るわけです。
頻度・重量・回数・セット数をセットで考える
プログラムを作るときは、頻度だけを独立して考えるのではなく、次の要素を組み合わせます。
- 頻度:週に何回ベンチプレスを行うか
- 重量:どの程度の負荷を扱うか
- 回数:1セット何回行うか
- セット数:1回・1週間で何セット行うか
- 回復:次のトレーニングまでに回復できるか
この5つのバランスを考えることが、プログラム設計です。
特に頻度を増やす場合は、「頻度を増やす代わりに、何を減らすのか?」という発想を持つと考えやすくなります。
例えば1回あたりのセット数を減らす、特定の日を軽くする、補助種目を調整するなどです。
中上級者は「頻度」を弱点克服にも利用できる
ある程度ベンチプレスに慣れてきた人であれば、単純にフルレンジのベンチプレスを毎回繰り返すだけではなく、目的に応じてバリエーションを組み込む方法もあります。
例えば、ある日は通常のベンチプレス、別の日は軽めのフォーム練習、別の日は弱点を意識した種目にする、といった考え方です。
実際に既存の5×5系プログラムでも、経験が進むと通常のベンチプレスだけではなく、インクラインベンチやポーズベンチなどを組み合わせる例があります。
このように考えると、「週何回やるか」という質問から、「その回数を何のために使うのか」という、より一段深いプログラム設計につながります。
ベンチプレスの頻度を増やして、自分のプログラムを組み立てよう
ベンチプレスを強くするために、トレーニング頻度をどう考えるか。
今回の記事で最も伝えたいのは、単純に「週3回が正解」「週5回が正解」ということではありません。
自分がベンチプレスを強くしたいのであれば、まずはベンチプレスを練習できる機会を確保し、その頻度をプログラムの中で有効に使うことが重要です。
週1回しかできないのであれば、その1回を大切にする。
週2回できるのであれば、2回に役割を持たせる。
週3回できるのであれば、強度・ボリューム・技術などを分散して考える。
そして、頻度を増やしたからといって、今までのトレーニングをそのまま何倍にもするのではありません。
重量、回数、セット数、補助種目、そして回復まで含めて調整する必要があります。
ベンチプレスの頻度を考えるときのポイント
- 頻度を増やす目的は、単純にトレーニング量を増やすことではない
- ベンチプレスを練習する機会を増やし、1週間のトレーニングを分散させる
- 週2回ならトレーニングごとに役割を分ける
- 週3回なら強度やボリュームを調整して疲労を管理する
- 自分の生活の中で継続できる頻度を選ぶ
吉川自身も、仕事をしながらベンチプレスを続けた時期、トレーニング時間を確保して競技に集中した時期の両方を経験しています。
その経験から考えても、ベンチプレスの記録を伸ばしたい人にとって「どれだけベンチプレスの練習機会を作れるか」は非常に大きなテーマです。
そして、ここから先は「自分なら週何回できるのか」「その頻度でどんな役割を持たせるのか」を考えてみてください。
エブリベンチ、5×5、サイクルトレーニング、5/3/1、スモロフJr.など、ベンチプレスにはさまざまなプログラムがあります。
それぞれのプログラムをただ真似するのではなく、「なぜこの頻度なのか」「なぜこの重量・回数なのか」を理解できるようになると、自分のトレーニングを組み立てる力も身についてきます。
まずは自分の1週間を見直して、ベンチプレスを練習できる時間がどこにあるのか確認してみましょう。
そのうえで、無理なく続けられる範囲で頻度を増やせないか考えてみる。
それが、ベンチプレスのプログラムを考える最初の一歩になります。

